男色ターザン

あなたは最近どんなAV見てますか?

塾講師をしていた時は塾講師モノ、仕事を始めた時は上司と部下モノなど、AVを見る時は自分の人生の風物詩を取り入れてきた。やはり、身近な題材こそが現実的で一番興奮する要素だった。しかし、皆さん自身も歳を重ねるごとに実感すると思うが、エロ動画をほんの少し見るだけで見てズブ濡れになっていた学生時代のウブな自分はもう居ない。本気で興奮したい時に今見ているものは「ゲイビデオ」である。

ゲイビデオと男女の絡みのAVの違い

といっても、私は男性と女性の絡みが一番大好きだし、いわゆる腐女子でもない。願わくば男性とイチャイチャしたいし、男女の友人カップルのセックスが見たい。話が逸れた。

ゲイビデオは、男女が絡むAVとは一線を画す。シチュエーションがかなり詳細に描かれており、「高校時代に憧れだった先輩と、社会人になってから再会」だとか、「ジャ●ーズ系さわやかでちょっと慣れてないカンジが可愛い子」だとか、やけに具体的である。
「ボクシング亀●似」なんて謳い文句もあり、こんなところに需要があったのかと衝撃を受ける。

そして、彼らのセックスは見ていてとても「雑」だ。男女のAVにあるような、キスからはじまり、段々と服を脱いで行き、次第に互いの性器に手が伸び、亀頭をペロッと上目遣いで舐めて焦らしてから口に含むといったような展開ではなく、キスの段階から、互いの股間をわしっと掴み、モミモミと弄っているものが多い。フェラも、パンツを脱いだらすぐにムッシとほおばり口でしごきまくる。
男性たちは、無様なオットセイのような「ああ……」「うう……」という呻き声や、オッサンがお風呂に入った時の「アァ〜」といった野太い声を出す。「アッ、アッ、アッ」とピストンに合わせて野太く喘ぐ声は哀れだ。

人は、「わざとらしさ」に興醒めする。すみません、一般的に言ってみたけど、本当は、私が、わざとらしさに興醒めする。
AV女優が演技でアンアンと激しく喘いでいるのを見ると、同性だからこそ余計に演技と分かって興醒めする。しかもその声が、セックスを盛り上げるためや自身が興奮するために出しているものではなく、「あっ、この人喘ぎ声もカワイイ」と言われたくてわざと高い声出してると分かると、「かわいこぶってんじゃねえ!」と思ってますます興醒めしてしまう。
そして、それは男優も然りだ。異性(AV女優)の目があるから、自然とカッコつけてしまう。カッコつけた男ほどつまらないものは無い。喘ぎ声も、まるで官能ボイスCDに収録されている声優かのように、耳障りのいいクリアな喘ぎ声を出してしまう。男性が部屋でひとりしごいている時に出すような自然な喘ぎ声は、そこには無い。

しかし、ゲイビデオはどうだ。男性の、本物に近いと思わしき喘ぎ声が聞ける。同性同士だからこそ分かる、無骨で気持ちの良さそうなフェラをしている。ゲイビデオでキザなかんじでカッコをつける男優はあまり見ない。そして、快感や興奮の演技もあまり派手でなく、より「リアルだ」と思わされる。

男優よ、喘げ

そう、ゲイビデオの一番の魅力は、「男性の喘ぎ声」だ。男女の絡むAVにも、男性のガチなオットセイのような無様な喘ぎ声を入れて欲しいが、それは男性目線に立つとひどく邪魔なものだから実現が難しい。そこで女性向けAVはどうかというと、女性に夢を見せることをかなり意識して王子様的な振る舞いをしてしまって、無様で野獣のような必死な男性の姿が見られない。

どんな作品であれ、興奮や面白みを感じるのは、人間の「素」に近い部分が見えた時である。AVメーカーの方々に伝えたい。どうか、男優の自然な喘ぎ声をたくさん撮ってくれ。

三尾やよい
Twitter:@mioyayoy841

悪趣味が高じてフリーライター。エロ・グロ・ゲテモノ。アダルト系WEBコラム連載/ニュースメディア翻訳ライター。毎日がFernweh(;-;) 将来の夢はベルリンで引きこもって夜な夜なテクノ鑑賞。