癒しの女神の実験台(モルモット)

今回レビューさせていただくのは「しろくまだんご」より2017年9月29日発売の美少女ゲーム、「癒しの女神の実験台(モルモット)」だ。
しろくまだんごは、大手同人音声作品サークル「シロクマの嫁」の商業美少女ゲームメーカーであり、その処女作が今作である。「シロクマの嫁」が得意とする「癒し」をテーマにしたADVである。期待を込めてしっかりと予約させていただいた。はてさて、それではレビューに移ろう。

シナリオ 2点

―癒しのプロを育成する学園の理事長から「マッサージモデル(モルモット)」として学園の副講師の仕事をもらった主人公。ブラック企業で身も心も疲れ果てた主人公を癒す―
これがあらすじである。この時点である程度察しがつくかもしれないが、この作品はいわゆる「抜き」を目的とした、ヌキゲーである。つまり、シナリオはあまり気にしないでほしいということだ。実際、お世辞にも「良いシナリオ」とは言えない。

主人公の軽薄な態度にイライラしたり、共通イベントが多すぎて退屈したり、まりもルートで久しぶりに出てきた「シエスタ」でゴリ押したり、プリンが欲しくて生徒に8万円払って譲ってもらったり、付き合ってる娘以外のヒロインで勃起したり射精したりして言い訳したり、エッチ飛ばしたり行事飛ばしたり……。挙げきれない。
総プレイ時間、28時間30分。実際には選択肢等で変わるため、完全コンプリートには31時間程度かかっている。

イラスト 3点

CG枚数72枚。SD9枚の計81枚。やはり、フルプライスはこうでなくては。大満足だ。
立ち絵やCG等のキャラクター絵が安定していないのが気になる。そして、9枚中4枚のSD絵は背景が真っ白だった。これが個人的に一番悲しかった。
しかし、通常時の背景はとても良い。結構細かく、丁寧に描かれている。

キャラ 4点

ヒロイン4人+サブ4人+男1人の計9人が立ち絵あり。
七條 彩音:ツンデレお嬢様。理事長の娘でもある。最初棒読みのような声優さんの演技がだんだん自然になってくるのは必聴。
猪熊 乃々香:怪力音フェチ元気っ娘。声は大人しい。
雪城 まりも:眠り姫で眠らせ姫のおっとりお姉さん。純粋無垢なのに母性を感じる。決しておっぱいの話ではないです。
黒崎 幸枝:厨二病で小悪魔。意味深なセリフでからかってくる。下の名前が嫌いらしい。

音楽 5点

とりあえず、OPは盛り上がりに欠けることを除けばとても良い。
さて、ここからは「音楽」ではないのだが「音」という点に関しての評価をさせていただきたい。これがこの作品最大のポイントである。

バイノーラル録音という、左右や遠近がわかる録音方法がある。以前にもバイノーラル録音が用いられた作品が存在する。fengの「星空へ架かる橋」。2011年4月にアニメ化もされた人気作品で、Hシーンのみにバイノーラル録音が用いられていた。しかし、音質も現在ほど良いわけではなく、左右に分かれている程度だったため、「癒しの女神の実験台(モルモット)」ほどのクオリティはない。
この作品には、音声作品では人気なプレイが詰め込まれており、同人音声作品を聞いたことがない人向けの体験版のようになっている。

「ハンドマッサージ」「ヘッドマッサージ」「フットマッサージ」「オイルマッサージ」「耳かき」「耳つぼマッサージ」「耳舐め」「絵本朗読」「添い寝」等、今適当に思いつく今作にあったプレイを挙げるだけでもこれだけある(Hシーンではなく単体として存在する)。バイノーラル録音でなければ味わえないプレイも多い。
全て、同人音声作品と同レベルのクオリティだ。つまり「音だけで販売」しても良いレベルである。
勿論、プレイだけじゃなく「環境音」にも触れたい。雨、朝の街、森、噴水広場、海等とても多くの場所で環境音があり、心地良い。目を閉じると光景が思い浮かぶよう。

そして、それを邪魔するBGM。こちらは今回の最大の問題点である。
BGMの質が美少女ゲームとして無難なことは置いておいて、せっかくのいい音が台無しになるのが問題だ。バイノーラル録音で、更に音質を重視している音声では「息遣い」すら重要な要素である。BGMで「息遣い」が聞こえないのだ。せっかくかなり鮮明に聞こえる音が、BGMによって潰されるのである。
本当に、本当に勿体ない。一応、BGM音量の調節で対処可能。

エロ 4点

Hシーン27回、差分Hシーンが+6回の計33回。差分を除く、総Hシーン3時間58分。1シーン9分程度だ。かなり短い。
ただ、高速で進んでいるわけではなく、前戯だけ、本番だけのシーンばかりで短くなっている。長くて1シーン12分、短いと5分程度で終わる。しかも、「8分Hシーン、8分後また8分Hシーン」といった、連続で来るパターンが全ヒロインあって、逆に面白い。このときようやく「これヌキゲーか」と理解した。
音がエロいため、Hも相当エロイ。

ユーザビリティ 4点

問題点はほとんどない。発売延期はともかく、ボイスセーブや十分なコンフィグ等、とても快適だ。
唯一問題点は、予約特典。よくある、「全部欲しいなら、複数の店で複数個同じゲーム買え」という奴である。かなり力を入れているのはわかるのだが、購入側としては少し大変だ。

総合 4点

商業美少女ゲームメーカーの処女作、そして、バイノーラル録音の魅力が伝わるゲームとして、少し甘めに4点を付けたいと思う。音以外に特に挙げたい点はない。
よって、シナリオに一言だけ。

「この主人公、癒す必要ないだろ」。

雑感

私は音フェチである。そして、「シロクマの嫁」の大ファンで、「耳奴隷」である。
正直な話、伊ケ崎綾香さんが出演しているゲームというだけで買う価値があり、全くの後悔すらない。ちなみにシロクマの嫁は、公式通販かコミケで直接購入した瞬間に大ファンになるからオススメ。

レビューという形式上、美少女ゲームとしての価値をある程度は客観的に判断して点数を付けたが、私の意見は「5点以外ありえない」だ。
―同人音声サークルで最も大きい「シロクマの嫁」(私が思っているだけです)が、音にこだわってゲームを作った―
そんな最強の組み合わせ。ダメな要素がどこにあるのか。あるわけないだろう。

偉そうにシナリオが云々、イラストが云々言っていたが、私は声を大にして言う。

「音フェチは買え」

というか、声優も明らかに豪華すぎる。流石、同人音声界に「シロクマの嫁在り」と呼ばれるだけはある(私が言ってるだけです)。これだけで神ゲー認定だ。
ちなみに私はアマゾンでの予約購入のため、予約特典はサブヒロイン夏川 蛍ちゃんのドラマCDだ。声優はかの仔さん。控えめに言って最高。
「しろくまだんご」の次回作に期待して、レビューを締める。

癒しの女神の実験台(モルモット)
メーカー:しろくまだんご
参考価格:9,504円
シナリオ イラスト キャラクター 音楽 エロ ユーザビリティ 総合
2 3 4 5 3 4 3
ひみこ

女の子をこよなく愛する美少女ゲーマー。少ないお金で美少女(ゲーム)を買い、ロリから熟女までどんな”美少女”とも愛を持って接します。恋愛マスターを名乗る日も近い……。