人間は、どうやってセックスの方法を学ぶのだろうか。本来、体に備わっていて、自然と凹と凸が惹かれ合うのだろうか。それとも、生きていくなかで、動物の交尾を見たり、AVを目にしたりすることを通して学び、挿入するのだろうか。
そんな疑問をもった医師が、男と女を飼って、人体実験をしてみたいと計画した。しかし、人の生活にはポルノが散りばめられている。野良猫の交尾を目にしたり、道端に落ちているエロ本を目にして、セックスの知識をつけてしまうかも知れない。実験対象は、外の世界と隔離された場所で行う必要があった。よって、完全に隔離され封鎖された個室で実験を行なう必要がある。しかし、勉強もなにもさせなければ、動物に近づいてしまい、本来の実験の趣旨とは異なってしまう。実験対象の成長に合わせて、小学校、中学校、高校、大学までの勉強を施す必要がある。
医師は、病院から男児と女児を誘拐し、自宅の地下に部屋つくって二人を別々に監禁し、真面目に育てた。

医師が残したノート。

女(9歳)
床にうつ伏せになり、芋虫のように腰を動かすようになった。性器を擦ると快感が得られると気付いた様子。その最中に私が部屋に入っても、やましい事とは思っていないようで、その行為を継続する。

男(11歳)
朝、夢精をしたようで、ベッドに精液がついていた。これはどうしたのかと聞くと、「何だかよくわからないけど出てた」と言った。これが精通だとは自覚しておらず、おしっこの一種だと思っているようだ。
それから、男児は「陰茎を触ると気持ちがいい」ということに気付いたようで、指で刺激したり擦ったりするようになった。”やましいもの”という意識はないようで、「擦るときに何か考えているか」と尋ねると、「特に何も考えていない。けれど、触ると気持ちがいい」と答えた。男児は四六時中、陰茎をいじるようになった。

女(12歳)
初潮がはじまった。女児は病気かと考えて元気を無くしたが、月経の仕組みを説明することは実験に反するので、「おしっこと同じものだ」と教えると、元気を取り戻した。しかし、生理痛がつらい時もあるようだったので、何の薬かは教えずに鎮痛剤を飲ませた。

男(14歳)
四六時中陰茎を擦り、白い液体を出すようになった。

女(16歳)
乳首を刺激すると快感を得られると気付き、四六時中乳首を擦っている。勉強もろくに集中せず、ボーッとしながら乳首を擦り、クリトリスをいじるだけになってしまう。

男と女は、成人を迎えた。医師は男を女の部屋に入れ、錠をした。
はじめは、医師以外の人間という存在に驚いたようだったが、次第に打ち解けて、どんなご飯が好きだとか、勉強の話などしだした。また、検閲によって性的要素を一切除いたアニメや漫画、ドラマなどの話をし出した。男は、女としゃべりながら徐々にズボンのチャックを下ろし、陰茎をこすり出した。

女は、自分の体には存在しない物体に驚く。
「何それ?」
「これ、擦ると気持ち良いんだよ。君は持ってないの?」
男は、女がいるとなぜか普段より快感が大きいことに気付いた。
「ちょっと君、こうして触ってみてよ」
女は恐る恐る、その棒を持ち、扱き出した。
「うわ、ほら、うわ、すごく気持ち良い! 自分でやるより気持ち良い。なんでだろう」
男は、はあはあと喘ぎながら言う。女は、息の荒くなった男が怖くなり、その手を止める。
「なんか怖いよ」
男は尋ねる。
「君にはこれついてないの?」
女は、「ついてないよ! ほら」と言って、スカートをまくりパンツを下ろしてみせる。
「でも、わたしも、ここらへんを擦ると気持ちが良いんだよ」
女はクリトリスを指で擦り始めた。快感から、うっうっと吐息が漏れる。男は、その姿を見てなぜだか自分も興奮することが分かった。陰茎が、勝手に固くなっていった。男も、女と同時に陰茎を再び擦り出して、言った。
「ねえ、そこ触ってみてもいい?」
「いいよ。ここだよ」
女は、自分で見つけた一番気持ちのいい部位であるクリトリスに、男の手を持って行った。
男は言われるがままに指を動かすが、女の望み通りではないようだった。
「うーん、なんか違う。そうじゃなくてもっと、指を軽くグリングリンってするの」
「あとね、乳首も同じようにすると気持ちいいよ」
女はそう言うと、服をめくりお椀型の乳房を出すと、乳首を触り始めた。
「うー、気持ちいい。こうしてると、下からネバネバのおしっこが出てくる」
「本当に!? 僕もだよ。ずっとここを擦ってると、白いおしっこが出てくる」
二人を部屋に入れておいたところ、快感を得ることに夢中になってしまい、互いにクリトリスや陰茎、乳首を擦るようになり、寝食を忘れてしまった。しかし、一向に女の穴という存在には気付かず、セックスには至らなかった。

医師のまとめ
・男性も女性も、外に突起している性感帯には自ら気付き、四六時中触るようになる。
・性器を触るのが恥ずかしいという意識が無いので、他人に見られていても平気で自慰を継続する。
・女性は知識無しでは自分の「穴」という存在に気付きにくい。
・人間のセックスは、後天的な知識を以て初めて成立するものである。

三尾やよい

悪趣味が高じてフリーライター。エロ・グロ・ゲテモノ。アダルト系WEBコラム連載/ニュースメディア翻訳ライター。毎日がFernweh(;-;) 将来の夢はベルリンで引きこもって夜な夜なテクノ鑑賞。