性欲を失いつつある現代の日本人。国民総セックスレス時代が叫ばれる今、トイズマガジン編集部が開設した「性欲アップ講座」。毎回、性のプロフェッショナルをお迎えし、性に関する悩みや不安の解消を提案しています。今回、ご教授いただくのは、素人系人気AVメーカー・ディープスでプロデューサーとして活躍しているイケパイさん。女性らしい魅力に溢れた彼女が、業界随一のヒットメーカーに上り詰めた経緯とは?

――AVOPEN2017では、ドキュメンタリー部門1位&総合部門2位おめでとうございます! 改めてその実力を業界に知らしめた形となりましたね。

AVプロデューサー イケパイ(以下、イケパイ):ありがとうございます。しかし、まだまだ。次回は総合部門でもトップを狙うつもりでいますからね。

――驚くほどアグレッシブでパワフルなイケパイさん。AV業界で働き始めて何年くらいになるんですか?

イケパイ:2004年の4月、22歳の時に入社したので……もうすぐ14年になるのかな? 私は大学に行ってたわけではないので、転職でこの業界に入った形です。

――それまでは何をされてたんですか?

イケパイ:うぅ〜ん……いろんな仕事です(笑)。ディープスに入る前の直近の仕事は、踊る方のクラブを経営してる会社でクラブ店員とレコード屋の店員をしてました。

――今とはまったく畑の違う仕事じゃないですか! そこからAV業界にって、どういう心境の変化があったんですか?

イケパイ:あの頃、本当は「クイックジャパン」が大好きだったんで太田出版に入りたかったんですよ。でも、あの会社は大卒でないと入社試験すら受けられなくて……。

――あぁ〜……。それは悲しい。

イケパイ:リクルートへの転職も考えてましたね。あの会社って、いろんな媒体で募集かけてたんで。でも、いざ面接という日に寝坊しちゃって受けれなくて(笑)。

――それ、ダメじゃないですか(笑)。

イケパイ:だから、決してアダルト業界に絶対入りたいというわけではなかったんです。とはいえ、エロはもともと好きでしたね。学生時代から、もうずっと。それで転職サイトで検索してる中で、ディープスがヒットしたんです。あくまでもタイミング、縁があって入ることになったんだと思います。

――AVを作る会社だということはわかっていて入社したんですか?

イケパイ:それはもちろんですよ。抵抗感はまったくなかったです。でも、当時の彼氏は相当心配してましたね。もしかしたら、そのままAVに出演しちゃうんじゃないかと思ったみたい。

――確かに、そういうAV作品は結構あるけど(笑)。でも裏を知らないとそういう可能性は考えちゃうんですかね。

イケパイ:まあ、付き合ってる男としては確かに穏やかな心境ではないのは理解できました。

――業種は最初からプロデューサーとして?

イケパイ:いえ、もとはデザイン部だったんです。入社して3年半はデザイナーとして働いてました。

――なんと! それじゃあ、デザイン部から社内異動を命じられたってことなんですか?

イケパイ:いえ、あの時の私は本当に生意気だったというか……。ちょうど年齢的には25、6歳で血気盛んだったというか(笑)。当時いたプロデューサーの仕事に対して「センスないな」って思ってたんですよ。出演する女性選びも、企画も、パッケージデザインも、写真も……。「絶対私の方が上手くできるよ!」って思って。

――すごいですね! つまり、自らプロデューサーに志願した、というわけですか。

イケパイ:それに加えて、私は机の前でじっとしていられる人間ではないなって気づいちゃって(笑)。もともとデザインの技術は、学校に通ったわけではなく、手に職をつけたいと思って自己流で学んだものなんです。デザインだけをずっとやっていこうと思ってたんですが、これが本当に苦痛だったんですよ! そこで当時の社長に直談判しました。「制作部に入りたい」と。

――その時に反対はされなかったのですか?

イケパイ:反対はなかったのですが「すぐ辞めると思った」とは後に言われましたね。やっぱり制作って体力的にもキツいんですよ。朝は早いし夜は遅いし、睡眠時間だって少ないし。でも、絶対にこっちの方が向いてると思いましたね。

――とはいえ、晴れて制作部に入ったとしても、即プロデューサー業に携われるわけではないですよね?

イケパイ:そうですね。ADというかAPというか。いわば修業時代がありました。でも短かったんですよ。トータルして半年くらい。

――ええ〜! 半年で一人前として認められちゃったんですか?

イケパイ:会社の仕組みはもともと分かってたし、仕事の流れも把握できてたので……。それと、負けず嫌いっていうのは大きかったと思いますよ。

――プロデューサーデビュー作って覚えてますか?

イケパイ:もちろん! それがもう、かなり売れちゃったんですよね。「女子校生! 妹-1グランプリ」。これは人気シリーズ作品になってけっこう長く作ってました。企画モノっぽいけど、実際の中身はドラマものだったんですよ。

――確かにそのタイトルでドラマものって意外性ありますね。

イケパイ:3人の女の子が出てくるんですけど、各1人ずつのドラマパートがあって、最後なぜか3人揃った撮影があるという(笑)。パッケージにどうしても3人の女の子を使いたかったから、そういう内容にしたんだと思いますが……。

――なるほど。この作品が注目されたポイントはどこにあったと思いますか?

イケパイ:何が一番凄いかって、このタイトルですよね。今なら絶対浮かばないと思います。始めたばっかりのテンションだったからこそ。この時の脳みそが今は欲しいですね〜。今はもっともっと硬くなっちゃってる。

――今のイケパイさんには、この作品に「妹-1グランプリ」とは付けられない、と。

イケパイ:だって、別に作品内にそんなグランプリは出てこないし(笑)。それでも作品の内容通りに「お兄ちゃん大好き!」みたいなタイトルだったら売れてなかったんだろうなぁ。そして、こういう仕事をすることがプロデューサーの面白さでもあると思うんですよ。

――つまり、この作品でイケパイさんはプロデューサーの醍醐味を肌で感じることができたんですね。

イケパイ:まあ、それも今となってはの話です。当時は「売れた! やったー!!」としか思ってませんでしたよ(笑)。無茶なことしてましたけど、今はやってよかったと思える作品ですね。

――次回も引き続き、プロデューサー・イケパイの軌跡を追います。
(取材・文・写真=もちづき千代子)

イケパイ

“恥じらい素人企画”AVメーカー・ディープスのプロデューサー。「ザ・マジックミラー」「マジックミラー便 」「一般男女モニタリングAV」など数々の人気シリーズ作品をプロデュースしている。AVOPEN2017では、ドキュメンタリー部門1位&総合部門2位という輝かしい成績を残した。