性欲を失いつつある現代の日本人。「国民総セックスレス時代」が叫ばれる今、トイズマガジン編集部が開設した「性欲アップ講座」。毎回、性のプロフェッショナルをお迎えし、性に関する悩みや不安の解消を提案しています。今回、ご教授いただくのは、障がい者専門デリヘル「はんどめいど倶楽部」で働くお二方。第一回と第二回に登場していただくのは、「はんどめいど倶楽部」を経営されている山本翔さん。なぜ彼が障がい者専門の風俗を始めたのか、その真意に迫りました。

――これまで、需要は確実に存在しているにも関わらず、スポットが当たることがなかった障がい者向けの風俗ですが、「はんどめいど倶楽部」がさまざまなメディアに登場したことによりその存在が広く世の中に知られるようになりましたね。

はんどめいど倶楽部 店長・山本翔さん(以下、山本):ありがとうございます。知名度的にはまだまだだとは思うのですが、テレビや雑誌で取り上げられることで、店の売り上げだけでなく障がい者の性について認知が高まっていることは喜ばしいですね。

――「はんどめいど倶楽部」のオープンからどれくらい経ちました?

山本:今年で8期目になります。

――もうそんなに経つんですか。失礼ながら、意外と長く経営されているんですね。

山本:そうなんですよ(笑)。恥ずかしながら、4期目まではまったくの赤字で、経営がなんとか回り始めたのは5期目からなんです。

――山本さんはもともと、どういった観点からお店の経営に着手されたのですか?

山本:私は13年前から介護士として働きながら、障がい者の性にまつわる問題に向き合ってきました。介護の現場における、その手の悩みは尽きることがなく、当時は解決する策がまったくない厳しい状況にありました。

――具体的に、どのような問題があったのでしょう?

山本:やはり男性の障がい者による女性介護士に対するセクハラ問題が大きかったですね。また、介助されているご家族の話などを聞いても、避けては通れない壁のように思っていました。

――なるほど、「はんどめいど倶楽部」は介護士の視点からスタートしたお店だったのですね。

山本:そういうことです。最初は介護の一環として、お金は取らずに自分の介助で性を発散してもらうボランティア活動をしていたのですが、いかんせんやっぱり男が男にするとなると障がい者側からの需要がなくて(笑)。

――それはそうでしょう(笑)。

山本:しかし、その中で一人の女性が現れたんですよ。その方は介護士であり、セックスワーカーでもある女性だったのですが、私と同じようなジレンマを抱えて悩んでいたんです。彼女とタッグを組むことによって「はんどめいど倶楽部」のオープンに踏み切ることができました。

――山本さんと同じ考えを持った女性の出現で、障がい者専門デリヘルの立ち上げが現実のものになったわけですね。その女性は、現在もお店に関わっていらっしゃるのですか?

山本:はい。まみという名前でプレイヤーとして活躍していると同時に、マネージャーも兼任してくれています。

――4期目までは赤字だったそうですが、そこから脱却できたきっかけは何だったのでしょうか?

山本:フジテレビの「NONFIX」というドキュメンタリー番組で取り上げられたことですね。ここで一気に知名度が上がったことで、それまでは一日に2人程度だった利用客が数倍にまで膨れ上がりました。

――それは凄いですね!

山本:とはいえ、そこから現在に至るまで大幅に利用客が増えたということはないので、これがマーケットの限界なのかもしれないとは思うこともあるんですよ。もともと決して大きくはないマーケットなので、わざわざデリヘルを呼んで性処理をしたいとまで思う障がい者の方は、すでに来店し尽してしまったのかな、とも。

――いやいや。まだこの店の存在を知らない障がい者の方はたくさんいると思いますよ。それこそ、ネットを見れない年代の方なんかは、テレビや新聞、雑誌が情報源ですし。

山本:確かに自社のホームページ以外での宣伝は打っていないので、それはあるかもしれません。ただ、正直な話そこにお金を掛けられるほど儲かっていないのも現状でして。

――でも需要は確実にあるでしょうし、メディアに積極的に出られることによって少しずつ認知度が高まっていけば……。

山本:そうですね。今後はその埋もれている需要をどうやって掘り起こしていくかが一番の課題なんだと思います。

――次回は「はんどめいど倶楽部」の今後の方向性についてお話していただきます。

はんどめいど倶楽部
Twitter:@handmaidc

2010年にオープンした、障がい者専門のデリバリーヘルス。介護士として働いていた山本翔さんが、介護現場の悩みを拾い上げる形でスタートさせた。「アンダーグランドな文化にもノーマライゼーションを」を合言葉に、タブー視されがちな障がい者の性に真っ向から向き合い続けている。