現代の日本人は性欲を失いつつあると言われています。「国民総セックスレス時代」と叫ばれる昨今の現状を嘆いたトイズマガジン編集部は「性欲アップ講座」を開設。毎回、性のプロフェッショナルをお迎えし、性に関する悩みや不安の解消を提案しています。第二回をご教授いただくのは、前回に引き続き、障がい者専門デリヘル「はんどめいど倶楽部」を経営している山本翔さんです。

――「はんどめいど倶楽部」で行っているプレイやサービスを具体的に教えていただけますか?

はんどめいど倶楽部 店長・山本翔さん(以下、山本):一般的なデリヘルと同じで、全裸でのサービスやキス、フェラチオ、69、指入れなどが可能です。お話をしたり外に遊びに行ったりする、心の触れ合いをメインにしたデートコースも設けています。

――プレイ時間についてはどれくらいを設定されているのでしょう?

山本:コースは60分からありますが、スタンダードなのは120分コースですね。これは健常者のデリヘルよりも、着替えや入浴に時間がかかるためです。

――デリヘルということは、女性がお客様のいるところに派遣されるわけですが、どういった場所に伺うことが多いのですか?

山本:もっとも率が高いのは自宅ですね。ホテルはバリアフリーになっていないところが多いため、あまり多くはありません。

――施設なんかにも伺うことがあるとか?

山本:ありますよ。施設がこうした活動を推奨してくれている場合は普通に入っていけるのですが、大抵の場合はナイショで入っていきます。友達のフリをして、面会に来たという体で……。まあ、バレバレなんだとは思いますけども(笑)。

――演じることも含んでのサービスなんですね(笑)。それこそ、ご家族に知られたくないけど自宅から呼ぶ方もいらっしゃるのでは?

山本:あります、あります。自宅に誰もいない時に呼ばれることがほとんどですが、家族が在宅してる時もたまにあるんですよ。向こうからすれば僕らは急に現れた謎の友達ですよね(笑)。

――実際のプレイでは、お客様がほとんど受け身という形になるのですか?

山本:体があまり動かないことを考えると、それがほとんどのように思うかもしれませんね。しかし、私はこの仕事を始めてから、改めて「変態に壁はない」という現実を思い知りましたよ。障がい者の方からしても、出来ることとやりたいことはやっぱり別なんです。

――えっ、それじゃあ「自分から責めたい」という方も意外に多い?

山本:はい、実はそうなんです。それこそSMに憧れを抱いていて、手が動かないけど縛りたい、叩きたいなんて方もいらっしゃいます。性癖というのは、健常者も障がい者も変わらず持ってるものなんですよね。

――性癖は決して一辺倒ではない……そう考えると、今後ますます注目されるべき分野のように思われるのですが。今、「はんどめいど倶楽部」のほかに目立った障がい者専用風俗はないように思えます。

山本:競合はいるんですよ。でも、オープンから半年持たずにすぐに潰れてしまうのが現状です。一般のデリヘル店を経営している会社が障がい者用の風俗店をつくったり、「バリアフリーもいけます」という店はあったりするんですよ。完全に障がい者オンリーでやれているのはうちくらいかもしれません。

――そんな中で、なぜ「はんどめいど倶楽部」は続けてこれたのだと思いますか?

山本:まず私が介護職に従事していた人間であることは大きいと思います。障がい者の方を私が直接介護できるため、お客様を外へ連れ出すことも可能なんですよ。

――なるほど。店長自らが専門的な知識と経験を備えているからこそ、お客様も安心して任せることができるわけですね。

山本:逆に言えば、店にきちんとケアができるスタッフが居なければ、スムーズにサービスを行うことは難しいかもしれません。

――在籍されている女性キャストは、何名ほどいらっしゃるのですか?

山本:12名です。4割が介護士の資格を持っている方で、それ以外はメディアでうちを知った素人さんですね。募集をかけているわけではないのですが、来てくれるのが有難いです。

――メディアからこのお店に辿り着いた方は、やはり敢えて「障がい者専門」を選んで来られるんですよね?

山本:もちろんです。実際に働き始めると想像してたものとギャップがあるんじゃないかと心配したこともあったのですが、みんな「思った通りの世界だった」と言ってくれます。あと、女性がやってみたいことにチャレンジできる店でもあるので、その辺りも喜ばれていますね。

――それはいったいどういうことなのでしょうか?

山本:在籍キャストの中には、女王様もいますし、脱ぎなしのソフトサービスのみの子もいます。つまりうちは「専門店」でありながら「全ジャンル」を網羅する風俗店にも成り得るわけです。さらに言えば、お客様ではなくキャストとして障がい者の女性も在籍しています。

――まゆみさんですね。

山本:正直、彼女から働きたいと連絡があった時はムリなんじゃないかと思ってたんですよ。でも、ぜんぜんイケましたね。「はんどめいど倶楽部」の大きな戦力の1人です。

――次回は障がいを持ちながらもキャストとして「はんどめいど倶楽部」で働くまゆみさんにお話を伺います。

はんどめいど倶楽部
Twitter:@handmaidc

2010年にオープンした、障がい者専門のデリバリーヘルス。介護士として働いていた山本翔さんが、介護現場の悩みを拾い上げる形でスタートさせた。「アンダーグランドな文化にもノーマライゼーションを」を合言葉に、タブー視されがちな障がい者の性に真っ向から向き合い続けている。