「国民総セックスレス時代」が叫ばれる日本において、性欲の低下は深い社会問題とも言われています。そこでトイズマガジン編集部は「性欲アップ講座」を開設。毎回、性のプロフェッショナルをお迎えし、性に関する悩みや不安の解消を提案しています。最終回は、障がい者専門デリヘル「はんどめいど倶楽部」で、障がいを持ったキャストとして働くまゆみさん。彼女自身が対峙する障がい者の性について語っていただきました。

――まゆみさんは「はんどめいど倶楽部」で働くまで、ご自分の性欲をどのように解消されていたのですか?

「はんどめいど倶楽部」キャスト・まゆみさん(以下、まゆみ):ごく普通に、一人でしていましたよ。でも、この仕事を始めて研修も受けてみて、「もしかしたら、自分はちゃんと性欲処理ができていなかったかもしれない」と思い始めました。これまで自分では満足してたつもりだったんですけど、実際にお客様と触れ合ってみて、障がいがあることが原因で不足してたものが見えてきたんです。

――なるほど。経験と知識の少なさゆえに多少誤解している部分があったわけですね。

まゆみ:はい。これまでにプライベートでセックスを試みてきたことは何度かあったのですが、いろんなことがあやふやなままになってましたね。相手ときちんと向き合った上でセックスに対峙してこなかったせいだと思います。

――すいません。すごくデリケートな質問になってしまうのですが……まゆみさんは処女ではないんですか?

まゆみ:実をいうと挿入をしたことはあります。でも、相手が最後までできなかったので自分の中では処女のままと捉えていたのですが……厳密に言えば、処女ではないのかもしれません。

――ちなみに、バイブなどのアダルトグッズを使用したことはありますか?

まゆみ:あります。以前、ライターさんに紹介してもらって女性に評判のいいバイブを購入したんですよ。それがきっかけでバイブに興味は持つようになったのですが、車イスでは使う姿勢が取れなくてなかなか大変でしたね。あーでもこないこーでもないと試行錯誤したり。でも、これって障がいのある女性のエロいあるあるなんじゃないかとも思って(笑)。

――そういう意味では、まゆみさんの存在って完全なるパイオニアですよね。障がいを持った風俗嬢としてだけでなく、性に関することを発信する障がい者の女性としての。たぶん、先ほどの話を経験していても口に出すことはなかなかできないじゃないですか。

まゆみ:そうかもしれません。私、これまでずっと「体位をどうするか」なんて話もしてみたかったんですよ。性に関してちゃんと話し合える相手と。今も、恋人が欲しいというよりは協力者が欲しいです。仕事のこともプライベートのことも話せる、いわゆる「性のパートナー」というべき存在が……。

――それはセックスフレンドともまた違いますよね?

まゆみ:ですね。セックスまでできた上で「そこは違う」とか「こうして欲しい」とか言い合える間柄が理想です。

――それが結果的に恋人という関係性になっても素晴らしいと思いますよ。まゆみさんは、どういう男性が好みのタイプなのですか?

まゆみ:気のキツい人がいいです。私は結構言いたいことを言う方なので、優しい人だとぐっとガマンさせてしまうんですよね。意見を言い合って、ケンカができるといいなぁ。

――意外にも好戦的(笑)。優しく包み込んでもらうよりも、等身大で言葉を返してくれる方がいいのですね。

まゆみ:でも、この仕事を始めた頃は恋人は作らないようにしようと思ってたんですよ。私は好きな人ができても、風俗を辞められる自信がなくて。極端な話、風俗嬢になるからには結婚も諦めなきゃいけないし、恋人も作るべきではないという考えがあったんです。

――確かにその考え方は、なかなかハードモードですね。

まゆみ:でも、この考え方は完全なる偏見だったんですよ。今思えば本当に恥ずかしいことで、それに気づいた時には冷や汗が出ました。別に風俗の仕事を始めたからって、女としての楽しみをすべて捨てる必要なんてないんですよね。

――まゆみさんも、どこか風俗という仕事を気負ってた部分があったのかもしれませんね。

まゆみ:そうかもしれません。今は、だいぶ気持ちが柔軟になったような気がします。とはいえ、男性の中にはこの考え方に抵抗のある人もいるとは思うので、大っぴらには「彼氏が欲しい!」なんて話はできないですけどね(笑)。

――では、最後にまゆみさんの今後の目標についてお聞かせください。

まゆみ:基本的なことではありますが、健常者の方と同じ土俵に立たせてもらっているからには、私なりのやり方でお客様に満足してもらえればと思います。これからも、風俗嬢として一人の女性として「誰かのためになれる存在」でありたいですね。

――ありがとうございました!

はんどめいど倶楽部
Twitter:@handmaidc

2010年にオープンした、障がい者専門のデリバリーヘルス。介護士として働いていた山本翔さんが、介護現場の悩みを拾い上げる形でスタートさせた。「アンダーグランドな文化にもノーマライゼーションを」を合言葉に、タブー視されがちな障がい者の性に真っ向から向き合い続けている。