【アダルトグッズヒストリー】『広東成人用品市場』へ

『広東成人用品市場』へ足を運んだ。

日本の大人のおもちゃは、熊ん子などの新製品が次々うちだされ、ヨ~ソロの順風満帆にもみえた。
が、21世紀にはいると、大人のおもちゃ界は、おもかじいっぱいに進路を切りはじめる。

つまり、コストを大幅に下げるため、中国での生産を開始するのである。遊びがてら中国の大人のおもちゃ事情をのぞいてみようと2001年(確か?)に漫画家・薬剤師(2人)らと、生産拠点の広州を訪ねてみたことがある。

中国内で作られた大人のおもちゃはいったんこの『広東成人用品市場』に集まって、ここから中国全土の小売店(薬局など)へ散らばっていく。広州が業界の要になったのは大
人のおもちゃメーカーの多くが広東省に集中しているからだ。

【アダルトグッズヒストリー】『広東成人用品市場』へ

『広東成人用品市場』は上野・アメ横を想像してもらえばよろしい。4、5人の客が押しかければもういっぱいという小さな店舗が、ぎゅうぎゅうひしめき合っていた。
ご当地は「食は広州にあり」として知られた土地柄だが、ちょっとオーバーにいえば「大人おもちゃは広州にあり」といえるようにもなっていた。
入り口の壁には赤いペンキで「未成年人不得入内」(未成年者立ち入り禁止)とあった。しかも、建物の外観を写真に撮ろうとするとすぐさま警備員がすっ飛んできて制止する。
ならばと、仲間4人は四方へ飛び散ってシャッターを切る。ガードマンは2人体制なので手が回らず、だれかが撮影に成功するって作戦だ。
このことから、大人のおもちゃは完全に市民権を得ていないこともわかった。けど、入り口をくぐってしまえば、ピンク色を基調とした大人の淫靡な世界が待ちうけている。オナホールの店、バイブの店、SMグッズの店、ローションの店、媚薬の店……。客はそれほど多くない。が、どの店も電話注文の応対に忙しい。

【アダルトグッズヒストリー】『広東成人用品市場』へ

日本にないグッズはないといっていい。

男性器と女性器を具有したオナニーグッズを発見したりする。カップルで共有しろってことか。これには笑ったね。
お店を回って仲間4人が収集した情報を組み合わせてみると、この市場ができたのは7年前のこと。建物の1階フロアに約130店舗が軒を並べ、中国に400社あるメーカーの直営店も。
1軒の店で、香港フラワー風で、バラの花のなかにパンティーを仕込んだグッズを12本を注文した。1本6元(当時1本約78円)。日本で買ったら1000円は間違いなくするだろう。詳しいことは分からないが、この国で大人のおもちゃが半市民権を得ているのは、たぶん業者が一人っ子政策など人口問題を盾にしているからだ。
「2人目を生むまないようにするには、大人のおもちゃが大いに役立つはずです」
建物の公共スペースには、広東省のオエライサンが訪問したときの写真が貼ってあったり。
ちなみに、当時は日本の招き猫が大人気。130店舗の大半が、この招き猫を飾っていた。

【アダルトグッズヒストリー】『広東成人用品市場』へ

招き猫は中国語で「招手猫」。
中国の故事に「猫面( おもて) を洗いて耳を過ぐればすなわち客至(いた) る」と、正に縁起物である