営業中ハプニングバーの乱交流出映像

JR新宿駅の東口を出たら、其処は変態の庭だった。
東口アルタ前で、ハプニングバーに連れて行ってくれるというパートナーの女性と、その知り合いであるハプニングバー常連の「師匠」を待つ。しばらくすると、いつも通り物腰の柔らかいパートナーと、歌舞伎町によく似合うツーブロックでテカテカのスーツを着た師匠が現れた。
覚えられないほど道をグネグネ曲がり、着いたのは雑居ビル。壁の看板にはホストクラブやちょっとエッチな飲み屋さんが派手な色合いで描かれているが、お目当てのバーの名前は載っておらず、地下のところだけ不自然に黒塗りになっている。らせん階段をいくつ回っただろうか。一番下の階に着くと、真っ黒な壁とドアがあり、その横にはインターホンがあった。壁には、申し訳ない程度に店名が書かれている。

師匠がインターホンを押すと、30代前半に見える小ざっぱりした女性店員が出てきた。
「何名様ですか?」
「俺一人と、こっちはカップル」
「では、お一人だけ入ってください。そちらはお待ちください」
店員はそう言うと師匠だけを部屋に入れ、またP重厚なドアをバタンと閉めた。僕たちはドアの前で立ち尽くし、とりあえず階段に腰掛けた。
すると、男性客が一人で階段を降りてきて、インターホンを鳴らした。顔立ちが綺麗に整い、短髪黒髪で体格もよく、僕たちに見向きもせず、堂々と待っていた。すると、ドアが開いてまた吸い込まれる。僕たちは待ちぼうけを食らった。
「お待たせしました、カップルの方どうぞ」
狭い玄関。入ると、また厳重な扉。
「こちらに氏名、ご住所をお書き下さい」
そこには、店内で呼ばれる名前を書く欄があった。自分の本名に近いニックネームを書く。店員から注意事項を聞いて、入会金と入場料を払う。

二番目の重い扉が開かれる。みんなの視線がパッとこちらに集中したような気がして怯んだが、あまり気にしていないふりをして、すぐにロッカーに駆け込む。
ロッカーはとても狭くて、男女共用。カバンを預けるだけの簡素なもので、ロッカー数は客数に比べてあまりに少ない。人ひとりが入れるシャワー室もあった。傍には、パンツが全部見える短さのヨレヨレのコスプレも数着掛かっている。郷に入っては郷に従えということで、パートナーも胸元ガン開きパンツ丸見えのコスプレを身に着ける。人がいないのを見計らってロッカールームのドアを閉めて着替えていた。

店内には、あまり物は持ち込めない。ローターを小さなポーチに入れて持参している人も見受けられた。女性は目薬やリップクリームなど、必需品をポーチに入れているようだった。店内ではフリードリンク制なのでお金は必要ない。
既にそこそこ人が入っていて、大きな円を描くソファにぽつりぽつりと人が座っている。「男性待ち」を惜しげもなく前面に出してパンツの見えそうなワンピースを着て上体前屈している女性。ブラウスに膝丈のスカート、つるんとしたロングヘアで清楚なオタサーの姫感あふれる女性。モッタリしたサルエルを履いた全身真っ黒の洒落っ気のないサブカル系な女性。シースルーのミニワンピを着た、恰幅のいいハーフ系の女性。ショートヘアでロングスカートの、普段着のまま来た40代くらいの女性。姫カットでぽっちゃり体系、童貞を殺すセーターを着た女性。普通の社会人生活をしていたら出会うことはなさそうな子もたくさんいるが、「会社の同僚に居たよね?」と勘違いする程ごく普通で着飾らない普段着のままの人も多く見受けられた。
男性は、刈り上げにパーマでテカテカのスーツを着た厳つい男性。金髪刈り上げのマッチョ。強いパーマでぶかぶかのパーカーを着た、バンドマン風の男性。デニムにチェックシャツの無難な男性。パッと目を惹くイケメンもわずかにいたが、その人たちはかなり引く手数多のようで、何回も違う女性と奥の部屋に消えていた。特に目立つなあと思ったのは、そんなメンズ達とは一線を画す、バスローブを着た50代オーバーに見える男性。男性的魅力は劣るはずだが、あまりに堂々としていて上から目線なので、「社長かな?」と錯覚するオーラがあった。実際、社長か何かなのかも知れない。
あとは、品定めするようにあたりを見回す、半笑いの2人組くらいの普通の格好をした若い男性たち。こういう子達は大抵、ハプニングバーに初めて足を踏み入れてどうして良いか分からない子羊だった。

とりあえずカウンターでドリンクをもらい、パートナーとソファに座る。が、誰かが話しかけてくれるでもなく、事はいっこうに進まない。半個室スペースを覗くと、既に2組くらいの男女がディープキスをして絡み合っていた。ここは、裸にはなれないものの、ちょっとだけイチャつける場のようだ。
せっかくだから何かハプニングを起こしたいというパートナーは、僕と別れてカウンターに行き、ドリンクを頼んでウロウロし、密かに声掛けを待った。すると、一人の青年に声を掛けられた。

ハプニング馬場
Twitter:@hapubaba

人生が全体的にハプニングの、ハプニング馬場です。ハプニングバーでの日常を綴ります。