潜入!! 衝撃ハプニングバーの実態!

パートナーは常連らしき青年から話しかけられてなにやら話し込んでいる。僕はぼっちの空気を味わった。近くに、話しかけやすそうなお兄さんがいたので話しかけてみた。
「常連さんですか?」
「うーん。何をもって常連、とするかだよね」
この答えがいかにもハプニングバーらしかった。他の客に聞いても、初めての人以外はみな「はい常連です」とは言わず、「何をもって常連とするか」と哲学談義を仕掛けてくるのだった。

しばらくするとパートナーが戻ってきて「3人で奥行かない?」と言い出した。ヤリたいわけではないが、どうしても奥の部屋が見てみたいという。ネットによると、覗きができるハプニングバーもあるらしいが、この店舗では他人のプレイが見られる構造ではなかった。
3人で部屋に入ることに決めた。連れ立って部屋の奥に向かう。まだ時間的に早いのか、部屋に向かう人が少なかったので、やけに視線を浴びている気がして恥ずかしかった。「こいつら、ヤルんだ」「初心者が騙されてる」そんな視線のような気がしたが、せっかく足を踏み入れたのだから、毒を食らわば皿まで精神が勝った。
ドアを開けると、真っ黒な壁の狭い空間。左右にドアがあったが、壁は上が抜けているので喘ぎ声が筒抜け。オープンな部屋ではまったく聞こえなかった女性の絶叫が耳に入り、興奮を掻き立てた。
「では、こちらで服をすべて脱いでください」
店員が丁寧に言う。
「えっ、ブラもですか?」
パートナーが恥ずかしそうに言う。
「はい、申し訳ありません」
3人で衣服をすべて脱ぐ。僕とパートナーはもたついていたが、常連はさすがに慣れているだけあって、ほんの2秒くらいで脱いでいた。
店員が手鏡で壁の上から部屋の中を覗いて部屋の様子を確認すると、僕達は部屋に通された。そこには正常位で繋がっているカップルがいて、「ああああん!」と激しく喘いでいた。二人はきつく抱き合っていて顔が見えなかった。その様子をじっと観察していたかったが、あまり見すぎると冷やかしと捉えられ、あまり良くないと言われていたので、直視することができなかった。

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初対面の青年と、パートナーの女の子と僕の3人で裸になって「奥の部屋」に入った、ハプニングバー初日。
3人で部屋に入ったからといって3Pができる訳もなく、僕はパートナーと青年が重なるのを端で座って見るだけ。青年も、他人に見られながら初対面の中肉中背の女の子と重なるという苦行。スコスコとピストンをして「イッていい?」と言ってペニスを引き抜くと、青年はさっとティッシュでペニスを隠した。射精したふりをしたようだ。

3人で他愛のない会話をすると、青年は服を着てそそくさと出て行った。あまりの呆気なさに呆然。セックスの相性が悪いと分かると、すぐに打ち切られるらしい。まあ、刺激を求めてこのバーに来ているのだろうし、ある意味さっぱりしたラクな場だった。
そして、パートナーと先程のセックスを上書きするように、ゆっくりねっとりと体を重ねた。やっぱり心がある程度繋がっている人とのセックスは気持ちが良いらしく、パートナーはさっきより大きく喘いでいる気がした。
しかし、僕は他人のセックスが見たかった。部屋に入ってヤラずに待っているというのは顰蹙を買うようなので、とりあえず体を重ねて次のカップルを待っていたが一向に入ってこない。もしかしたら、外で「ジロジロ見てくる初見カップルがいるから入りたくない」という会話でもされているんじやないか、とも思えた。

別の部屋から聞こえるド派手な喘ぎ声とはテンションの異なるスローセックスを終え、服を着て部屋から出ると、さっきとは全く違う場所かと思うほど人が増えていた。ソファはぐるりと人で埋まっていたし、床にもちらほらお姉さん座りしている人たちがいた。カウンターのスペースは身動きが取れないくらいの混み具合だった。
カウンター横のテーブル席を覗いてみると、なぜか男性だけで集まっているグループがいた。全員初めて来た人らしい。一人で来てさらっと声をかけている男性のようにうまく動けず、テーブルで仲間とダベることしかできない。初心者同士で初めて行くと危険なことが分かった。

もうこれ以上のハプニングは望めなさそうだったし、一発ヤッて疲れてしまった僕とパートナーは、終電に間に合うように店を出た。外を歩くと、道行く人みんなが特殊な変態性のある常連に思えた。真面目で誠実、なんてまやかしだ。みんなそれぞれ何かの秘密を持っている。
まったく知らない、心の引っ掛かりもない人とのセックスほど、面白くないものは無いと僕は思っていた。もしかしたら、常連になったら面白くなってくるのかも知れない。刺激のない日常はつまらない。つい、今日は行けるかな、と会社からバーまでの道のりを検索してしまう。そんな狭間で揺れ動く、ハプニングバー初日なのであった。

ハプニング馬場
Twitter:@hapubaba

人生が全体的にハプニングの、ハプニング馬場です。ハプニングバーでの日常を綴ります。