【A-Lady】女性の「性」を誤解している男のチンコは信じるな!

女性が快感を求めるならチンコよりグッズを取れ!

弊誌が注目する「A-Lady」を招き、女性視点での鋭いひと言をいただこうという当コーナー。2回目は約400本という膨大な数のピンク映画を制作、監督する浜野佐知監督を招いて、女性の「性」に対する男たちの誤解に迫る。

――監督の最新作『僕のオッパイが発情した理由』では、美女になってしまった冴えない男がいろいろな人と出会い、ストーカーや痴漢被害に遭いながら、女性の「性」、男や女について考えていくというもので、男には考えさせられる内容ですね。

浜野監督(以下、浜野):世の男たちは女性の「性」を男性の「性」の客体として考えているでしょう。「チンコさえ入れれば気持ちよくなる」とか、「レイプされてもあえぐ」とか、幻想というか間違った性幻想を刷り込まれている。女性の「性」はあくまで女性が主体であり、『僕のオッパイが発情した理由』を含めた私の映画全てにおいて、それを伝えることをライフワークとしているんです。

――監督の作品は、セックスを始めとして、女性が主体としてきちんと描かれていると評価されていますね。

浜野:監督になろうと思ったとき、それまで観てきた日本映画で描かれている女性たちが、聖母のような母、貞淑な妻、父親に従順な娘、性の対象は愛人や娼婦、という男にとって都合がいいステレオタイプで描かれていることに気づいたんです。でも、現実の女はいろいろな面があるわけで、それがなぜ描かれないのかと考えたとき、映画監督に女性がいないからだと。それなら自分が監督になって、きちんとした女性像を描こうと思ったんです。

――アダルトグッズ業界も女性用のグッズが受動的、つまり客体として「女が男に使われるもの」でした。しかし、それにギモンを持った業界の女性たちが「女性のためのもの」という視点でグッズを生み出しています。映画界や監督の周囲とは少し違うかもしれませんが、それが頭に浮かびました。

浜野:かつてはバイブも想像を絶するほど太いし大きいし、「こんなの入るわけねえだろ!  第一、気持ちよくねえよ!」(笑)。
男はいまだに「チンコを挿れれば気持ちよくなる」という誤った認識が根深い。だけど、女性は自分自身の性感の在り様をきちんと知って育てていかないと快感を得ることはできません。そのことを知らないどころか、「チンコを入れるだけでOK」と思っている男がほとんどですから、世の女性たちに「チンコを信じるな」と言いたい。まず気持ちよくなるための第一歩としては、男とのセックスよりも、自分で快感を得ることができるグッズの方がはるかに役に立つ。そういう意味で女性たちが作る、女性のためのアダルトグッズがどんどんと増えていくのはすばらしいことです。

――来年には『僕のオッパイが発情した理由』からセックスシーンを除いたR15の『BODY TROUBLE』が上映予定ですね。

浜野:R15だと高校生からは観られますから、10代の性教育に使ってほしいですね(笑)。男から見た社会と女から見た社会の違い、男女が平等であるべきセックス、などをこの映画で学んでほしい。アダルトグッズの関係者もそうだと思うのですが、セックス業界にいるからこそ、私たちが若い人たちに正しい「性」の知識を教えていきたいですね。

【A-Lady】女性の「性」を誤解している男のチンコは信じるな!
映画監督 浜野佐知

徳島県生まれ、静岡市育ち。映画製作会社・株式会社旦々舎 代表取締役。
1968年にピンク映画の業界に足を踏み入れ、1971年に『十七才、好き好き族』で監督デビュー。現時点で約400本近いピンク映画を制作、監督し、現在も精力的に映画を撮り続ける。2001年に発表した自主制作映画『百合祭』は世界42カ国58都市で上映され、高い評価を獲得した。