とりあえず、タイトルを見てたまげましたよね。おいおい、ついに男のオナニーワールドはこの境地まで到達したのか、と。私も仕事柄、2.5次元……いわゆる、ドールやVR、オナホールなどに触れる機会は多い人間です。しかし、それらと戯れることを自慰とは見做さず、敢えてセックスと表現する! その覚悟と潔さにまずは敬意を表したいと思います。

とはいえ、普通に考えて2.5次元の存在とセックスするなんてことは可能なのか? その答えのすべてがこの一冊に記されています。まずハッとさせられたのが、導入部分に書かれたこの一行。「あなた自身で、あなたのために二次創作をするのです。」この一文。これで「?」マークだらけだったタイトルに合点がいきました。

そう、2.5次元彼女とのセックスとは、いわば自分の中にある妄想の最大限の現実化。空想上の女の子との恋愛を軸にし、ドールやアダルトグッズなどの立体物を使ってその実体を作り上げ、限りなく三次元に近い感覚で性行為、愛情表現を行う……。確かにこれは、オナニーではなくセックスに寄ったものに思えますね。

この本の大きな特徴として挙げられるのが「催眠オナニー」の推奨です。これは自己催眠で意識を沈降させ、リアルな妄想を楽しむ行為で、これが成功すればトランス状態に陥り、2.5次元の彼女のリアリティがさらに深まるわけです。さらに読み進めれば、脳内にしっかりと人格を確立させたイマジナリーフレンドならぬ空想彼女を生み出し、その彼女と愛し合うことでさらなる高みへと登り詰めることができると。つまり、自身の中に存在する理想の彼女を精神的な鍛練を経て実体化させることが、2.5次元彼女とのセックスの近道なわけです。

また、本書ではその目的を達成する手段の最たる成功パターンとして「ドールを迎える」ことを挙げています。特に人間の1/1スケールで生み出された等身大ドールであれば、その可能性は無限にも広がると。何しろ、人間用の服も着れるし、最近のものは肌の質感だってリアル。さらに何といっても裏切らないですし。この器い、催眠オナニーで鍛えた空想彼女人格をしっかり乗せることができれば、まさに理想を具現化した恋とセックスが堪能できるに違いありません。

その他にも、やはり近年最も注目が集まっているVRについても言及しています。HMD(ヘッドマウントディスプレイ)の中で堪能できる未来型の恋愛&セックス。発表されてから数年のうちに、どんどん技術は進化をし続けており、ソフトの種類や映像美のクオリティは着々とアップ中。ドールとの合わせ技で楽しむこともできるため、自己催眠が苦手という方はこちらで視覚から興奮を高めていくのも良い方法かもしれませんね。

思い通りにいかない日常生活や、日々の仕事。せめてエロスに関してだけでも理想の世界に浸りたい……そう考える男性はこれからも増え続けていくでしょう。そうした方たちへのバイブルとして、本書は大きな役割を果たしてくれるでしょうし、恋とは?セックスとは?新たな気づきを得るきっかけにもなるのではないかと思います。

2.5次元彼女とセックスする方法
著者:二次元セックス研究会
参考価格:2,500円
もちづき千代子
もちづき千代子
Twitter:@kyan__tama

AVメーカー広報、風俗情報サイト編集、アダルトグッズメーカー社員を経てフリーに転身。
性産業への己の愛を凝縮した卑猥なテキストを綴り続ける、哀愁の豊満熟女ライターである。