世の中にはどれほどまでに男の娘本が溢れかえっているのやら。男の娘になるために云々といった内容の出版物は、今驚くほど多いです。ただ、それは「男の娘になりたい」と願う男性が増え続けている証拠と言えましょう。かくいう本作も、そんな男の娘本のひとつです。

しかし、数多ある類似本の中にあって、本作が非常に画期的だと言えるところがあります。それは女装ガイドブックとしては圧倒的にわかりやすく、男の娘の世界への期待感を高めてくれる点。タイトル通り、この本はイラストを軸にでさまざまなテクニックを示してくれます。メイク、ファッション、仕草。老舗女装サロンへの潜入レポート漫画や、メスイキに導くためのアダルトグッズの紹介など詳細かつ盛りだくさんな内容。

ただ、その紹介の仕方がとても具体的。例えば、ワンピースの選び方にしても男性には少しわかりにくい、その種類をしっかりと記載。(チュニックやAラインなど)さらに、脱毛や除毛の方法も細かく説明されていて、女装の完全なスタートラインに立っている男性にとっては心強い導きになっていると感じました。

そして何より、本作の売りでもあるイラストでの女装解説。感嘆してしまったのが「どんな女の子になりたいか」によって変えるべきだというメイク方法についての説明。ぶっちゃけ、女子もヘタなメイク本を購入するよりこれを読んだ方が参考になるレベル!

だってこれ読んで私も開眼しちゃいましたもん。「あっ、こうすれば良かったのか!」って。普段そんなに遊び心のないメイクをしている枯れ女子の私としては、当たり前すぎかと思って他人に聞けずにいたテクニックが満載で。非常にためになりました。特に魔法使い少女になりたい人向けのメイク。あれは今年のハロウィンなんかで活用させてもらいたいと思います。

男の娘本としては、これまでに無いほどに女性からも共感を得られそうな本作。中でももっとも私が感銘を受けた一文をここに紹介させていただきます。それは、「誰も最初から可愛くない」。そう、女の子だって最初はメイクに戸惑い、ファッションに瞑想し、黒歴史なんてものを作ることだってあるくらい。確かに男の娘を目指す男性にも、それはわかって欲しかったところ!

逆に言えば、だからこそ「どうせ自分なんて」と最初から可愛くなることを諦めてしまっている男の娘予備軍の男性に勇気を与えてくれる一冊だとも思います。「似合わないかも」「綺麗になれないかも」なんて不安を抱いている方にこそ、ぜひ最初に読んで欲しいですね!

イラストでわかる! 男の娘なりきりテクニック
著者: 石井 亮子/中村 瑠衣
参考価格:2,000円
もちづき千代子
もちづき千代子
Twitter:@kyan__tama

AVメーカー広報、風俗情報サイト編集、アダルトグッズメーカー社員を経てフリーに転身。
性産業への己の愛を凝縮した卑猥なテキストを綴り続ける、哀愁の豊満熟女ライターである。