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SHUNGA 春画展

文京区の永青文庫で開催された『春画展』が連日大盛況。
数回見に行った知人によると、平日にもかかわらず、グループで訪れた熟年のオバチャンたちでごった返していたそうである。
春画といえば、小道具として張形が登場する作品をよく目にする。代表的なのは「大奥物」か。男子禁制の大奥で、熟れた肉体をなぐさめるために、張形の出番となるわけだ。
町方の女を描いたものの場合は自分ひとりで抜き差し、欲望を満たすという図柄が一般的だが、さすがに女ばかりの大奥。女同士が互いに介助しあって張形を使っている作品が多いのが特徴である。

張形の用い方もさまざま。大きく脚を開いて、ただ抜き差ししている通常の「かたてづかい」、片脚を持ち上げて脇から手に持った張形を抜き差しする「わきづかい」、首に回した紐を足の甲に結んで支えにし、かかとにつけた張形を抜き差しする「あしづかい」、中には巻いた布団に張形を結び、挿入してから布団に脚を絡ませて抜き差しをする「ゆみじかけ」、張形をかかとにつけ、つま先を手に持って抜き差しする「きびすがけ」、女が張り形を腰の前に結びつけて男役となり、相手の女を悦ばさせる「本手がた」等々。いやはや先人の性的探究心には、ただただ脱帽である。

なるほど、江戸時代の張形の根元に紐が取り付けてあるものが多いのは、使い方のバリエーションを広げるためだったのかと、今さらながら感心したしだい。
もちろん、張形は女性の自慰用としてだけではない。男が女を悦ばすために使用するのは現代と同じ。だが、なかには女二人を相手に、ユニークな使い方をしているという春画もある。
それが西川祐信の『枕本太開記』。なんと、目の前にいる女には自前の男根を挿入し、同時に腰に結わえつけた張形をお尻側に向け、背後にいる女に挿入しているというもの。つまり、前の女を突いたときは後ろの女は抜かれ、前の女から抜くときは後ろの女が突かれるというわけ。ギッコンバッコン、まさにシーソーの原理と同じだ。

『艶女玉すだれ』は、四つん這いにした女を後ろから犯しながら、手に持った張形で別な女を悦ばしているという図。これなどは、現代でも3P愛好家が使いそうな技である。
また同じ祐信の筆による『和楽色納戸』は、女の両脚を抱えて腰を浮かせ、自前の男根を菊門に、同時に腰に結わえた張形を女性器に挿入。「前後二穴攻め」をしているというすさまじさである。
葛飾北斎はじめ、張形を描いた絵師は数多いが、この西川祐信ほど、張形の使用例を多く描いた絵師はいないのではないだろうか。

■参考文献:張形と江戸女 (ちくま文庫)