ファイア by ルブタン [Blu-ray]

スラリとした脚線美を基本として、むちむちした太ももや筋肉質なふくらはぎなど、実に多彩な嗜好の持ち主が集っているのがフット・フェチシズムの世界だ。過去から現代まで、さまざまな変遷を遂げてきた脚フェチの歴史を紐解いていこう。

まず、最初にフット・フェチシズムに言及したのは、1914年に心理学者のフロイトが発表した「脚フェティシズムの症例」と言われている。ここでフロイトは小難しい論理でフェチズムを説明しているが、要するに足から性器を連想することで興奮が起こるということらしい。

また、フロイトも論文で例に挙げているのだが、小さな足を“美”と見なした中国の纏足も脚フェチを体現する風俗だ。幼児期から女性たちの足を縛りつけ、強制的に小さくするという信じられないような方法は、まさにフェチズムの極致。ちなみに纏足した女性の脚でチンコをしごいてもらう“脚コキ”を始めとして、小さな足を利用したプレイも当たり前のように行われていたという。

西洋においても脚フェチのエピソードは存在していて、中世の貴族たちの間では「女性の靴でシャンパーニュを飲む」という遊びが流行している。もちろん新品の靴ではなく、履いていた靴で飲んでいたそうなので、悪ふざけのなかに脚フェチの欲望も混じっていることは疑いない。2009年にはシューズデザイナーのクリスチャン・ルブタンたちがこの貴族遊びをモチーフに、シャンパーニュを飲むためのハイヒール型グラスを販売して話題を集めている。

このほか、文化人に脚フェチが多いのも特徴。日本では谷崎潤一郎が『刺青』や『瘋癲老人日記』などの作品で女性の足に対する偏愛ぶりを発揮している。とにかく、これでもかというほどの「足」への描写がすさまじく、脚フェチのことを「谷崎趣味」と呼ぶようになったとか。また、フランスの作家であるレチフ・ド・ラ・ブルトンヌも幼少期から女性の足が好きで好きでたまらず、恋文を女性の靴に入れて渡したという筋金入りの脚フェチ。あるパリの若い女性の足に魅了されたことをきっかけに、わずか10日間で足をテーマとした『ファンシェットの足』という小説を書き上げたという。

かくも多くの人たちを魅了してきた「足」という存在。アダルトグッズにも脚をモチーフにしたものはあるが、まだオナホールのように広く認知されているわけではない。ぜひメーカーにはさまざまな脚フェチプレイを楽しめるグッズを送りだしてほしい!