2011年、カナダから上陸した「Swan(スワン)」のバイブレーターを初めて目にしたとき、衝撃を覚えた人は少なくないだろう。シリコン一体成型による曲線的でエレガントなフォルム、肌ざわりの滑らかさ、女性の琴線に触れるカラーリング……。「LELO(レロ)」や「FUN FACTORY(ファン・ファクトリー)」など欧米のハイセンスなラブグッズブランドはすでに浸透しはじめていたが、堂々その仲間入りを果たしたSwanシリーズは、その存在の華やかさで話題をさらった。これもラブグッズに対する女性の意識が変わってきたからこそだが、スワンの存在に後押しされ、さらに女性の意識が解放される……そんな好循環を生み出したのが、発売元である「ミライカラーズ」だ。

その後もカメラ付きバイブや温感バイブなど新しいテクノロジーとデザインとが融合した「SVAKOM(スヴァコム)」、カップルユースを目的としたU字型バイブレーター「We-Vibe(ウィバイブ)」など、これまで日本のラブグッズ市場にはなかったグッズを次々とリリースしている。セールスの詩乃さんに、同社のポリシーと、これから向かう先を伺う。

【アダルトグッズレビュー】We-VIBE4(ウィバイブ4)We-Vibe4(ウィバイブ4)

セールス担当・詩乃さん(以下、詩乃):これまで女性向けグッズ、カップル向けグッズを国内に紹介してきましたが、商品をセレクトする際に最重要視しているのは、そのグッズが女性の身体にとって安全、安心であるということです。そして、新しい価値観をともなっていること。「We-Vibeシリーズ」はスマートフォンと連携させて遠隔操作できるという目新しさもありましたが、それ以上に「カップル向け」というコンセプトが好意的に受け入れられたと感じています。

U字の一端を女性器に挿入し、もう一旦は恥骨に添わせる。その状態で男性自身を挿入して男女がつながれば、ふたりで一緒に振動刺激を堪能できる。

詩乃:幅広い年齢層の方にお買い求めいただきましたが、無理に腰を動かしたりしなくても一緒に気持ちよくなれる点が、特に年配の方の心に刺さったようですね。熟年世代の性生活を掘り下げる雑誌「壮快Z」で紹介されたときは驚くほど多数の注文をいただきました。私たちの商品は女性に支持されることが多いですが、同シリーズに関しては男性からの注目度も高かったです。いくつになっても性を愉しみたいという男性たちの、探究心や好奇心にマッチしたのですね。

今春、そのWe-Vibe専用のローション「We-Vibe Lube(ウィバイブ ルーブ)」が発売された。ドイツの高品質ローションブランド「Pjur(ピュア)」が同モデルのために作った水溶性のローションである。

ラブグッズに対する女性の意識を変える好循環を生み出す、ミライカラーズWe-Vibe Lube(ウィバイブ ルーブ)

詩乃:女性のデリケートな部分に触れる商品を扱っているからには、いつかローションなどケア・アイテムも提案していかなければならないと以前から考えていました。これも女性にとって安心・安全であることが第一条件ですが、日本にはまだそうしたローションを求める市場が整っていないとも感じています。ローションは性風俗店でのプレイに使うもの、または年配の方が使うもの……。私自身もこの仕事をはじめるまでそんなイメージを持っていましたが、いまは、使わないのはもったいない! と声を大にしていいたいです。「濡れないのを補うために使うもの」と思われがちで、女性からも「私は濡れるから大丈夫」という声を聞きますが、潤いが十分だとしてもそれで挿入がスムーズにいくわけではありません。挿入時のダメージを少なくして早く気持ちよくなるには、ローションが欠かせません

とはいえ、女性の意識がまだローションに向いていない背景をふまえると、ユーザー獲得は簡単ではないという認識もある。

詩乃:最初に使ったローションが、潤いが続かず乾いてしまったり、シャワーで流そうとしてもなかなか落ちなかったり、それどころか膣内に残ってしまってカンジダ膣炎になったり……。イヤな思いをしたらもう二度とローションを使いたくないですよね。だからこそ、高品質なものを届けたい。これまで海外の展示会でさまざまなローションを見てきましたが、「コレだ!」と思うものには出会えずにいました。女性の身体に寄り添っていると感じられなかったんです。だから、「Pjur(ピュア)」と「We-Vibe(ウィバイブ)」のコラボが決まったときは心からうれしかったですね! 「Pjur(ピュア)」はそのシェア率もさることながら、女性の身体を第一に考えているのが伝わってきたり、用途別にさまざまなのローションを提案していたり、常に先進的なブランドです。「We-Vibe Lube(ウィバイブ ルーブ)」はウォーターベースのさらさらとした使い心地が非常に快適なので、「We-Vibe(ウィバイブ)」を使うときにもふだんのセックスにも、どんどん取り入れてほしいですね。

同ブランドとコラボした「We-Vibe Clean(ウィバイブ クリーン)」も同時発売された。こちらはスプレータイプの除菌剤で、グッズの衛生を保つために開発されたもの。女性のデリケートな部分に直接触れるものの衛生は、いくら気を遣っても遣いすぎるということはない。

詩乃:それをどう女性たちに届けるか、がいちばんの課題です。女性の体に使うものだから、女性が自分で選んで、自分から男性に提案してほしい。これはローションに限らず、私たちが扱っているラブグッズ全般にいえることですが。まず、いろんなメディアを活用して、こんなに安全に使えるグッズやローションがあるんだということを知ってもらわなければ始まりません。女性の性におけるオピニオンリーダー的な人に商品を試用してもらい、それをウェブメディアで執筆してもらったり、SNSで私たち自ら情報を発信したり、レインボープライドなどセクシャリティ関連のイベントで商品を紹介したり……まだまだ試行錯誤中ですね。ただ、最近は雑誌の力を再認識しています。「an・an「や「GLITTER」など若い女性向けの雑誌から、年配女性向けの「婦人公論」まで、当社商品が掲載されたときのリアクションには、いつも手応えを感じています。また、通販雑誌などは、普段、性にまつわる情報から遠いところにいる人にもアプローチできる恰好のツールですね。いまは情報がないゆえにグッズを使わない。でも情報さえあればグッズに興味を持ってくれる。そんな層を積極的に発掘していきたいです。
(森友ピコ)

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ミライカラーズ 詩乃

2007年に東京都にて創業した「ミライカラーズ」。
信頼性が高く、洗練された意匠を纏う高品質な製品だけをお届けし、性のもたらす喜びをより気軽に知って頂く為に活動中。
セールスを担当する詩乃さんは、学生時代からセクシュアルヘルスケアについて研究を続け、最近ではラブズッグだけでなく、愛を深めるためのソフトなSMについてアンテナを拡げている。