面白いほどよくわかるギリシャ神話―天地創造からヘラクレスまで、壮大な神話世界のすべて (学校で教えない教科書)

神話の不埒な登場人物たちを紹介する当企画。今回もギリシャ神話からクレタ島のミノス王にスポットを当てる。

ミノスはゼウスとその不倫相手であるエウローペーの子どもとして生を受けた。ゼウスといえば、神様の中でも屈指の浮気男であるが、このミノスも「蛙の子は蛙」ということわざ通り、父親に負けず劣らずの女好きであったという。そして、ゼウスの妻である恐妻家のヘラよりも、さらに恐ろしい妻を持っていたことから、とんでもない浮気の罰を与えられることになった。
ミノスの妻はパシパエという女性で、太陽神ヘリオスと女神ペルセイスの娘。しかも、英雄オデュッセウスの部下たちを豚に変えた大魔女キルケとは姉妹であり、彼女自身も大きな力を持っていた。そんな怖い女を妻にしていながら、ミノスは父親譲りの女好きを改めることはせず、そんな彼にパシパエはイライラを募らせる。そして、ついに堪忍袋の緒が切れた彼女は夫に呪いをかけてしまうのだが、その内容はミノスの精液を蛇やムカデ、サソリに変えてしまうというもの。つまりミノスが女性と交わって絶頂を迎えると、蛇やムカデ、サソリが出てきて相手の女性を殺してしまうという恐ろしい呪いだった。
妻の怒りでえぐい呪いを受けたミノスは、それでも浮気をやめることはなく、多くの女性が犠牲になったという。これぞまさにリアルな“女殺し”という、全く笑えないダメ男の見本と言えるだろう。
ちなみに、この呪いでパシパエもミノスと交わることができなくなってしまうのだが、彼女は自分の性器に仕掛けを施してミノスと交わり、子どもを残したという。そして、この仕掛けこそが避妊具(コンドーム)の原形になったという説があるのだ。