一人暮らしの部屋を引き払い、実家に帰ることになった当時の話。
手のあいていた母が、旅行がてらに一週間ほど部屋に泊まり、引越しの手伝いもしてくれることになった。
「わぁ〜ありがたい」なんて喜ぶのも束の間、数年に渡る一人暮らしで、収納物を細かくチェックされることのなかった私の引き出しには、穴あきパンティだとか、乳首がスケスケになるブラ、極太の電動バイブ、あからさまなピンクローターなどが収納されており、シャワールームの壁にはシリコン製の極太ディルドがオブジェとして(?)貼り付けられていた。

や  ば  い

親が来る前に、とりあえずなんとかしなくては。母親は「松井棒」開発者顔負けの掃除上手で、部屋の隅から隅まで勝手に見られてしまうかも知れない。実家に戻るので、あまりに大きく目立つオモチャや、あからさまにチン様の形をしたディルドなんて持っていけない。でも、捨てるにしても、普通にゴミの日に捨てるのか? 私の住んでいた地区はゴミ分別に厳しく、中身を細かく見られてしまう恐れもある。はえ〜どうしよう。

そんな葛藤を経て、私はなけなしのチン型のバイブやディルド、エロ下着、ローターを親が来る前に中身が見えないように包装しテープでグルグル巻きにして捨ててしまった。
そして、わたしはエロのエの字もないクリーンな身となって実家に戻った。

わけではなかった。

このアダルトグッズ事変の際に唯一捨てなかった、今もなお所持し続けているアダルトグッズがある。「TENGA Δ (デルタ)」だ。

TENGA Δ(デルタ)-安くて早くて安心ね♥

これは、スケベジャーナリストとしての私をよく知る友人が、ネタとして贈ってくれたものだった。
一見すると全然アダルトグッズとわからない、この三角形のデジタル機器のようなもの。三角形の底辺をひねるとスイッチが入り、強力なバイブになる。手のひらと同じくらいの大きさなので、隠し場所にも困らないし、万が一ベッドにほっぽり出してしまっていても、私だったら「USBだよ!」とか「充電器だよ!」とかいってドヤ顔でごまかせそうだなと思うスタイリッシュなデザインなので、これだけは唯一手元に残すことにした。

更に、三角形の頂点だけまんこに沿って曲がるようになっており、持ちやすく快感を得ることができる。

同居人がいる者にとって、一見アダルトグッズとわからない、というのは重要な条件である。価格は1,058円(税込)とコスパも良い。

しかしこれ、こんな小さく簡単な構造なのに、バイブの力が大きいので数秒強めにクリに当てるとすぐイケるし、乳首に当てても気持ちが良い。しかし、バイブ力が大きいので、誤ってスイッチが入るとマジでヤバイ。

バイブ誤爆恐怖症

ある時、家に置くのも難だったので、バイブを鞄に入れて外出したことがあった。偶然、友人の友人、という微妙な立ち位置の男性とばったり出会い、話をしていたところ、急に鞄の中で、ブビイイイイイイイイイイ! と激しい音が鳴った。

「なになになに、えっ? なに」
大きくて異様な音にビビる二人。
私は、携帯が故障したのか!? と思ったが、鞄の中を覗いて黒い三角を見つけてすぐさま悟り、すぐに手を突っ込んでスイッチを消した。どうやら、なにかの拍子でスイッチが入ってしまったようだ。

「わー!!! びっくりした、なんか、携帯のアラームつけっぱなしにしちゃってたみたいで」
ほ、ほえぇ〜。みたいな納得のいっていない反応。バイブとバレただろうか? この件を思い出すと、気が気ではなくなるし、この記憶を抹殺したい。

そんなことがあってから、私は電動の道具をいっさい信用していない。今もなお、バイブを保管する際は、電池を抜いて保管している。

三尾やよい
Twitter:@mioyayoy841

悪趣味が高じてフリーライター。エロ・グロ・ゲテモノ。アダルト系WEBコラム連載/ニュースメディア翻訳ライター。毎日がFernweh(;-;) 将来の夢はベルリンで引きこもって夜な夜なテクノ鑑賞。